アドバースメディアスクリーニングのベストプラクティス

           

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ネガティブニュースによる影響:アドバースメディアスクリーニングのための5つのベストプラクティス

アドバースメディアスクリーニングのベストプラクティス

金融機関その他の企業が直面するさまざまなリスクの中でも、アドバースメディアでの悪評を有する者(REP)の特定は、最も見過ごしやすいものの1つです。

残念ながら、ネガティブニュースについて顧客をスクリーニングするための法的規制ガイダンスがないので、機関がリスクベースアプローチを実施するにあたっては解釈に大きな余地があります。

アドバースメディアにおける高リスクエンティティを特定するポリシーおよび手続を定めて、プロアクティブな対策を実施している機関は、より適切にリスクに優先順位を付けることができ、本人確認(KYC)および顧客デューデリジェンスプロセスを管理する運用上の負担を軽減できます。その例としては、アドバースメディア検索をいつ実施するか、最適な自動化をどのように行うか、どの情報を検索するか、どの情報が重要か、得られた情報をどのように利用するか、ということがあります。

アドバースメディアスクリーニングプログラムの効率と効果を向上するためのベストプラクティスを5つご紹介します。

1. タイミングの明確化

1つ1つのニュースソースを24時間年中無休で監視することが、すべてのアドバースメディアを捕捉する最も間違いのない方法かもしれませんが、それは現実的ではなく長続きしません

より現実的な方法は、アドバースメディアを検索するタイミングを特定することです。たとえば、口座を開設したときに、新しく追加された口座の当事者についてアドバースメディアを検索します。次に、ポリシーで指定されたリスク判定基準(口座の種類、司法管轄区域、利用方法など)で示されるスケジュールに基づいて、口座を再確認します

リスクベースのスケジュールに従うだけでは、スケジュールで予定されたレビューと次のレビューの間に発生した情報に対してすぐに行動できない場合、自社を保護することができません。すなわち、イベントによって発生するメディアレビューを明確にします。「予定外」のニュースソースの調査を行う根拠となりそうな活動としては、口座の想定されていなかった行動、法執行機関による調査、またはリスクの高いカウンターパーティとの関係があります。

2. 手作業と自動レビューのバランス

有効な手作業でのプロセスを実施している機関であっても、すべての口座の当事者について詳細にレビューし、新しく特定されたメディア活動を常に把握し続けられるほど十分なスタッフを用意することはできないでしょう。自動プロセスは、アドバースメディアスクリーニングの不可分の一体をなすものとして、手作業でのレビューを補完できます。

広い網を投げてインターネットやニュースソースのデータベースをすくい取るシステムは、圧倒的に大量の無関係なアラートを発生する可能性があります。より生産性の高いスクリーニングのためには、「当社の顧客に関連しそうな情報として、どのようなものが世の中にあるか」というのではなく、「評判の良いデータプロバイダーが収集しているニュースに、顧客データベースの中の誰がいるか」という質問に答えられるソリューションを探しましょう。

ニュースメディアソースの継続的なレビューを自動化する場合、毎日の監視と観察による明らかなメリットを得ると同時に、対処すべき項目をごく少数しか含まない、あるいは対処すべき項目を見失うような、大量の結果によってアナリストの業務を圧迫するという落とし穴を回避する必要があります。

3. リスクの分類別での管理

アドバースメディアの特定による結果は、制裁アラートと同じように「リスク」か「ノーリスク」か、白か黒かの二者択一になるとは限りません。アドバースメディアの調査結果は、本当のリスクレベルを評価するためには、より深い知識が必要になります。

アドバースメディアのカテゴリーと重要度に基づくモデルを作成することは、レビューの優先順位を付けるために、また、一般的なKYCプロファイルの一部として、顧客に関連する適切なリスクレベルを効果的に理解するために役に立ちます。

4. 調査結果の適時性を考慮

ニュースの鮮度という概念は、リスクを評価するにあたって興味深い検討事項です。アドバースメディアの調査結果で高リスクと分類された一部の顧客は、時間の経過とともに、またその後アドバースメディアが存在しないために、低リスクに分類される可能性があります。

情報の古さだけに基づくアドバースメディアの重要度の判断が有効なこともありますが、アドバースメディアの一部のカテゴリー、たとえば汚職またはその他の重大な金融犯罪にまつわるネガティブな情報は、時間の経過とともにその重要度は低下しません。

5. 継続的な監視と観察を確保

いつ検索するか、何を検索するか、結果をどのように評価するか、を決めた後の次のステップは、その情報をどのように扱うかを決めることです。

いかなる口座の当事者についても、一回限りのスクリーニングであれば、せいぜい過去の活動に関連するリスクを特定できるだけでしょう。調査結果が重大であっても、重大でなくても(例えばプログラムのリスク計算に合致するほど深刻でない場合)、最初の調査結果に対するその後の更新を監視する必要があります。

既知の調査結果に対して更新や変更をレビューする独立した自動化プロセスがあれば、的を絞ったリソースの利用が可能になります。そうでなければ、アドバースメディアスクリーニングの大量の結果全体の中で、更新を見落とす可能性があります。

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